REBTを活かした心理的支援及び関連情報の提供

REBT惨事ストレスマネジメント

REBT惨事ストレスマネジメント(1)
心的外傷後成長(Posttraumatic Growth:PTG)とは何か

聖徳大学大学院 臨床心理学研究科 緒方淳
監修 日本人生哲学感情心理学会

親しい人との死別や自身の傷病、災害などのストレスフルな体験の後に、他者との関係 の大切さに気づくことや精神的な変容が生じること、人間としての強さを獲得することな どの人間的な成長が生じることをPosttraumatic Growth(PTG)とよぶ。

PTGは、Tedeschi & Calhoun(1996)によって「危機的な出来事や困難な経験における精神的なもがき・闘いの結果生じるポジティブな心理的変容の体験のこと」と定義されている。PTGを知覚するメカニズムの1つとして困難な状況の中でポジティブな意味を探求・生成することが挙げられている。つまり、ストレスフルな体験では、それに伴うネガティブな側面にのみにとらわれがちになるが、そのストレスフルな体験を通して何かしらのポジティブな側面を見出すことによって、ストレス体験から自己の成長が生じるということである。

そのため、自身が体験した出来事から少しでもポジティブに捉えられる要素に気づくことによって、ストレスフルな体験を自身の人間的な成長の機会とすることがでるかもしれない。

Tedeschi, R.G., & Calhoun, L.G. (1996). The posttraumatic growth inventory: measuring the positive legacy of trauma. Journal of Traumatic Stress, 9, 455-471.